話数単位で選ぶ、2018年放送アニメ10選
たまにはこういう波に乗るぜ!ということで、どこぞの方がやっていたルールをそのまま流用します。
ルール
・2018年1/1~12/31までに放送されたアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品に付き1話まで。
・順位はつけない。
付け足しルール
・あらすじはなるべく公式から
・面白かったというよりは自分に刺さった話数
それではさっそく行きましょう
・宇宙よりも遠い場所 5話「Dear my friend」
訓練を終えてから数ヶ月が過ぎ、南極へと旅立つ日が近づいてきたある日。リンの手伝いもあって、どうにか南極へと持っていく持ち物の荷造りを終えたキマリは、めぐみから借りたまま、てっきりなくしてしまったと思っていたゲームを見つける。めぐみにゲームを返すついでに、久しぶりだからとゲームで遊び始めたキマリは幼い頃の思い出を話し始めるが、めぐみは覚えていない様子で……。
もはや説明不要の名作、宇宙よりも遠い場所からは5話を選出。
多分2018年アニメ10選に選ばれている率が一番高いのはよりもいであろうことがわざわざ検索しなくてもわかる。それくらいすごいパワーを持った作品でした。
その中でもあえて5話を選出したのは高橋めぐみというキャラクターが全てです。
ここまでよりもいを観てきて、面白いし、凄いと思うけど、どこか自分は蚊帳の外、自分以外の誰かの話をされているという感覚が自分の中にありました。
僕は学生の時に目標のために100万円も貯められなかった。
もっとインスタントな欲望を晴らして、先のことなんて考えないようにしていた。
誰からも見放されようとも、きっと、いつかのために辛抱強く生きていけなかった。
誰からも見放されたくなくて、承認されたいという気持ちが常に自分の中を渦巻いた。
だから、そんな自分を嘲笑うかのように痛快に、必死に生きている彼女達を見てもこうなりたかったと思いこそすれ、まぁ自分もいい年だし、なりたかったなぁで終わってしまいました。
でも、高橋めぐみというキャラクターが現れた。
彼女は、僕らでした。やりたいなぁと思いつつ、手を出さない。時間がない。金がない。少し合わない気がする。理由なんてなんでもいい。とにかくやらない理由を一つでも創り上げて自分を納得させようとする。誰も彼女の背中を押そうとしない、だってそれは彼女自身が選んだリスクの少ない生き方だから。
誰が彼女のことを、卑怯だ。勇気がないなどと笑えるのだろう。だって世の中に居る大半の人間はそうやって自分に嘘を付いて、やりたいことなんて見つからなくて、夢に向かって引っ張っていってくれるライバルなんてものは一生出会えなくて。でもまぁ、そんなもんだと思って生きていく。
そんな彼女をしっかり描いてくれた、という理由で10選に選びました。
ちなみに同じ理由でNEW GAME!の飯島ゆんも好きです。
・刀使ノ巫女 21話「雷神の剣」
イチキシマヒメと同化し、禍神の力を手に入れた姫和は、タギツヒメを圧倒する。しかし、その強大な力を制御できず暴走し、可奈美の前から姿を消す。動揺する可奈美たち。一方、紫は単身姫和を追い、かつての自分がそうしたように、大荒魂を抑え込む術を教えようとする。
こんなインターネットの極北にあるようなブログをわざわざ見に来るような方には説明不要な気もしますが、2018年ベストを通り越して僕の人生ベストまで食い込んできた名作・刀使ノ巫女からは21話を選出。
21話をかけて、時には世界を敵に回してまで助けた親友の姫和が暴走状態になった時に主人公である可奈美がかけた言葉。
「ねぇ、今の姫和ちゃん・・・強い?」
このセリフ、この表情。それが全てでした。
多分今後の人生でこれより衝撃的なカットは見れないと思います。
・りゅうおうのおしごと! 7話 「十才のわたしへ」
天敵・山刀伐八段との対局を最後まで諦めず、八一は逆転勝利してみせた。しかしその姿は、いまの桂香にはあまりに眩しい。清滝九段の娘として棋士の家に生まれ、幼い頃から将棋に親しんできた彼女は、研修会の年齢制限が迫るなか、いまだ女流棋士になる資格は得られていなかった。自信を喪失して悩む桂香は、かつて自分が書いた古い研究ノートに、ふと目を止める。そこには……。
これも大体高橋めぐみさんと同じ理由であったりするですが、まぁ好みということで許して欲しい。
天才棋士として活躍する主人公、九頭竜八一の師匠でもあり、姉のような存在でもある清滝桂香さんのお話。
弟のような存在である八一はメキメキと頭角を表し、小学生である雛鶴あいにすら差をつけられてしまう桂香。もう女流棋士になれる可能性は万に一つ程度しか残されて居ない・・・そんな彼女が見つけたのは、幼かった頃、何者にも縛られず、ただ将棋が好きでいられた頃の自分のノートであった・・・。
もうね、この話の流れが大好き。夢を諦めた大人が、それでもと歯を食いしばってなんとか前に進むお話が大好きです。
・メルヘン・メドヘン 6話「シンデレラは振り向かない」
強敵・諸国連合に苦戦を強いられる日本校。今大会三強の一人、『かぐや姫』の原書使いである静の最終魔法『月の船』が『酒呑童子』カザンの最終魔法『大泥棒』によって奪われてしまう。静の大ピンチに空から降ってきた葉月は、ついに自分の物語を見つけると大胆にも原書『シンデレラ』を書き換え、新しい題名を宣言する。
何かと話題の尽きないメルヘンメドヘンからは6話を選出。一体いつになったら11,12話を見ることができるのだろう・・・
気を取り直して。
今まであらゆる嫌なことから逃げてきた主人公の鍵村葉月。
逃避として、自分以外の誰かの物語の世界に入り込んで問題から目を反らす。ということが常態化されていました。
そして訪れた最大のピンチ、今までの彼女だったら逃げていたその時に彼女は自分だけの物語を選びとり、前を向いて歩くことを決意するのでした。
この作品の良さは既に一記事使って語っているのでそちらをご覧下さい。
・ウマ娘 プリティダービー EX R「響け、ファンファーレ!」
ファンの夢を背負って、あの「18人のウマ娘」がウィンタードリームトロフィーに出場する。夢のような舞台で、トレーナーは何を思い、何を見るのか。あのとき見た輝きが、今、目の前に――!!
説明不要、全てが終わったあとのお祭り回。最高に面白かった少女たちの青春が、最高の形で終わる。これが最高じゃなくてなんなんだ!!!!!!!!!!
・こみっくがーるず 12話「いってらっしゃいませ 立派な漫画家さんたち」
かおす初の連続掲載!前編の原稿の評判は上々だけど、それはまんが家寮のみんなが手伝ってくれた箇所だった。
さぁこれから後編の原稿を、という時に寮の建て替えのためにみんなは一時的に実家に戻ることに。
一人きりで自信を失ったかおすのもとに、意外な人が訪ねてきて―――
高橋めぐみが闇の俺なら、かおす先生は光の俺だった・・・・・・・・
才能豊かな友人に囲まれて、自分の力のなさを日々嘆くかおす先生。やりたいことをようやく見つけても上手くいかず、どうしていいのかすらわからない。
それでも、かおす先生は一歩一歩、例え歩幅は小さくと、泣きながらでも前に進んでいく。
そうして彼女が手に入れた力は、今まで自分を支えてきた日常そのもの。彼女が選んで歩いてきた道こそが、彼女自身の強さに繋がっていた・・・。という構成があまりに美しい。
こうなりたかった、俺は、俺はかおすになりたかった・・・・・・!
アニメ終了後の芳文社のCMで「4コマ漫画家の、かおすですっ!」というセリフが今でも忘れられません。
・音楽少女 12話「アイドルの一欠片」
「サマーメロディフェスティバル」通称メロフェスに初出場することになった音楽少女であったが、ステージ前は目標とする集客には届いていない状況であった。
LIVEが始まり、次々とステージには人が集まり、目標に達するかと思われたその瞬間、思いもよらない事態が起きてしまう。
そこではなこが取った行動とはー。
不朽の名作・音楽少女からは最終話を選出。6話「ニクとアイドル」と相当迷いましたがこちらに。
ぼくたちみたいな性根がひねくれた面倒くさいオタクは好きなものを褒める時、どうしても貶めてしまったり、大衆ウケしないけれども好きな作品を勧める時、どうしてもトンチキな突っ込みどころの多い場所を紹介しがちです。
そんな状況に文字通りビンタをかましたのがこの作品。
好きなものを好きって言おう。面白かったものを素直に面白かったと言おう。そう思わせてくれる作品でした。
また、音楽少女メンバーを支える立場でしかなかった山田木はなこが最後の一欠片になり音楽少女が完成したシーンで流れる「シャイニング・ピース」は完璧そのもの。
最後のペースは君だよ、君なんだよ・・・なんだよなぁ・・・・・・
・少女歌劇レヴュースタァライト 7話「大場なな」
その包容力と優しさで2年A組を包み込んできた大場なな。彼女の大きな愛情の原点は1年生の時に上演した第99回聖翔祭の「スタァライト」にあった。ななの記憶に深く刻み込まれ彼女自身を変えたもの。彼女がその「再演」に執着する理由とは……?
大場ななという少女が歩いてきた軌跡を描いた7話を選出。
よかったから、ずっとそれを見ていたい。という欲望はかなり普遍的なものだと自分は考えていて、誰しもがそこに陥りやすいからこそいわゆる老害という言葉が生まれたのではないかと思います。
自分はその気持ちが人一倍強く、だからこそ、そうはならないように最新を追い続けようと躍起になっているという自覚があります。
だから、大場ななは間違えてしまった、歩みを止めてしまった自分なのだと思いながら見ていました。
そう・・・俺が大場なななんだ・・・誰がなんと言おうと大場なななんだ・・・
・あかねさす少女 5話「ヒーローの条件」
「かわいいものが好きな自分」と、そうじゃないと思う自分。いつの頃からか、ふたつの感情が同居していたというみあ。そんなジレンマを和らげてくれたのは、かつて「ヒーローにならない?」とラヂ研に迎え入れてくれた明日架たちだった。そんな思い出を振り返っていた彼女のもとに、銀行強盗の知らせが届く。追い詰めたその先にいたのは……なんと明日架たちだった。裁判にかけられ、お互いに決闘することとなった明日架たち。絶体絶命の彼女らの状況に、みあは「自分なりの正義」を見つめ直す。彼女は本当のヒーローになれるのか?
可愛い自分は、可愛く振舞って生きるのが得だ。ということを自覚しているみあ。しかし本当はそんな媚びたような生き方ではなく、誰かを助けられる自分になりたいと強く願うみあ。理想と現実の狭間で少女は大人になっていく・・・というお話。
「こう生きていたい」と「こうなりたい」の乖離というものは誰にでもあることで、まぁそれを飲み込んで生きていくことを世間では大人になると呼ぶらしい。
だから彼女の語ることは夢で、理想論なんだけれども、それでもと叫び続ける少女のなんと強いことか。
・甘い懲罰~わたしは看守専用ペット~ 5話「脱獄」
今年1笑った、それだけ